ゴー宣DOJO

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笹幸恵
2017.8.16 17:47

真夜中の長いつぶやき

基本的に性格が繊細でない(要するにガサツ)な私は、

女という生き物に対しても、あまり見る眼がない。

数年前、戦史に興味を持っていそうな同業の女性がいて、

「仲良くなれたらいいな」と思って、共通の知り合いに

紹介してほしいと頼んだら、こう断られたことがありました。

「やめたほうがいいよ。彼女、あなたのこと

目の敵にしているから」

このとき、女って恐ろしいと心底思いました。

 

今なお社会は男性が中心。

その中でマイノリティでいることは息苦しいのだけど

(だからこそ私は件の女性と「わかりあえる」と

勝手に思ってしまったのだけれど)、世の中には

マイノリティであることを逆手にとって、

自分の「女性」性を売りにしてのし上がろうとする女が、一定数いる。

同じマイノリティは、自分の存在を脅かす敵なのだ。

そういう考えがあることに遅まきながら気が付いた。

そして自分の甘さを思い知らされた一件だった。

 

マイノリティに依存する女は、たいてい男性に対して

上目遣いの目線を使う。

それが武器になることを知っているから。

そうした女の態度にイラッとするのは確か。

もくれんさんがブログで指摘されたように、

日本全国、女性の「あるある」です。

(もくれんさんだけじゃないよ!)

 

そういう女性は、自分が相手にどう映るかを

よく知っている。ちゃんと計算もしている。

だから女性らしいし、一見とても美しい(あるいは、かわいらしい)。

私は、そのこと自体は悪いことじゃないと思っている。

女性らしさや、女性の持つ美しさは大事だ。

だって男性にはどう足掻いたって無理なことだから。

女性が美しくあろうとするのは、時にはマナーでもある。

そして美しくあろうと努力すること自体が、

女性自身の喜びだったりもする。

だから外見を褒められるのも嬉しい。

 

問題なのは、それだけでのし上がろうとする女の卑しい根性だ。

そして「女は外見が良ければいい」と考える男の男尊女卑感覚だ。

この二つには、どちらも女の「中身」を度外視する

という点において親和性がある。

私の肌感覚で言うと、自称保守派にこの手の男性が多い。

講演に出かけても、彼らの意に沿わないこと(たとえば

安倍政権批判とか、皇位継承の女系容認だとか)を言うと、

途端に

「君は勉強が足りない」

とくる。

何度経験したことか(そして二度と呼ばれない)。

私は、ちょっと物珍しいから呼ばれただけなのだ

ということが、よくわかる。

こういう社会で生きていこうと思ったら、

大企業の受付嬢のように着飾って、

意思なき存在として「個」を埋没させるか、

その社会にだけ通用するタコツボ理論を

ロボットのように繰り返すようになるしかない。

「名誉男性」はこうして出来上がる。

 

男性中心の社会で、程度の差こそあれ、

女は「中身」を見てもらえないのだ。

男性より、はるかに。

そして常に、ほとんど自動的に、

「劣ったもの」「教え導いてやるもの」と位置づけられる。

 

私は西田藍さんという方のツイッターも見ていないし、

三浦瑠麗さんがどうチヤホヤされてどう批判されているのかも

知りません。

けど、三浦さんに対する批判も、「中身」というより、

彼女が「女性であること」に起因するのなら、

それは正当な批判とは言えないでしょう。

チヤホヤしている輩と立脚するところは同じ、

男尊女卑に過ぎないのだから。

そしてどちらも、神輿に担がれた美しいマイノリティに

振り回されていることに変わりはありません。

 

小林先生は、三浦さんの主張(=中身)を見て、

「外見に騙されていた」と結論づけた。

結論はどうあれ、「中身」を見て判断したところを、

西田さんは「正しい」と言ったのではないでしょうか。

 

 

それにしても、もくれんさんがブログで紹介していた

ネット番組での男性陣の発言、思わず「ドタマかち割るぞ!」と

叫びそうになりました。

 

「ルリちゃん、かわいいからいいじゃない(笑)」

 

外見でしか判断できない低レベルを自らさらけ出してしまっている。

もし女が、男を「イケメンかどうか」でしか判断しなくなったら、

男は「バカにされている」と思わないのだろうか。

イケメンだったら何でも許される。

そういう社会に納得するだろうか。

想像力の欠如、救いようのない愚かさ。

 

 

以上、真夜中の長いつぶやきでした・・・。

 

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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